仮想通貨で思いがけず資産を築いてセミリタイア

私は、大学卒業してからずっとIT関連の会社で働いてきました。いろいろなことをそつなくこなせるタイプだったので、リストラの対象になることもなく、勤め続けることができました。そんな私に転機が訪れたのは2017年のことです。付き合いで数年前に購入し、保有していた仮想通貨が一気に高騰しました。一分ごとに値上がりしていく数字を見ながら、興奮したことをよく覚えています。同時に危機感も抱きました。バブル崩壊は子供の頃でしたが、その後のITバブルやリーマンショックは経験しています。急激に値上がりしたものは必ず一気に値崩れする。そう思って保有する全ての仮想通貨を2017年の12月に手放しました。回りからはもったいないと言われたのですが、結果的にそれが正解で、私はかなりの資産を築くことができました。そのころ、私は妻と分かれて独身でしたし、子どももいません。つまり、資産を残しておいてもしょうがないのです。ですから、残りの人生で資産を使い切ることを決め、会社を辞めてセミリタイアしました。築いた資産で複数の投資を行い、その不労所得があれば、日々の暮らしは十分に賄えたのです。

セミリタイア後の生活は思ったより退屈

セミリタイア後の生活は私が思い描いたものより大分退屈でした。仕事をしているときは、リタイアして時間ができたらあれもしよう、これもしようと考えていたのですが、いざ時間ができて実行してみても今ひとつ夢中になれません。趣味仲間も作ってみたのですが、平日の日中に時間があるのは、私より20才近く年上の方ばかりです。
働き盛りの年齢なのにセミリタイアした私が気になるのか、しょっちゅう説教じみたことを言われて嫌になりました。休日なら同年代の趣味仲間がいますが、話題が仕事の愚痴や子供の教育などに偏りがちで、これもまたついていけません。結局趣味の集にはだんだんと顔を出さなくなり、ほそぼそソロで楽しむだけになりました。
ネットならば同じような境遇の人と出会えるかなと考えたこともありましたが、ほとんどが株や仮想通貨で儲けた風を装っているだけで、少し話しをするとすぐに怪しげな商材を売りつけようとするので、うんざりしてしまいました。
結局、私は生活こそ不自由ないものの、ひとり世の中から取り残されたような気分で日々を過ごし続けるようになったのです。
たまに数少ない友人と飲みに行っても、軽く愚痴をこぼしただけで、
「お前、それは贅沢な悩みだよ」と説教される始末です。ですから親しい人にすら本音を言えなくなりました。

交際クラブに登録してみた

私が交際クラブに入ったのはそんなときです。ひとりで過ごす日々がどうにも寂しくて、一時でも話し相手になってくれる人がほしかったのでした。マッチングサイトのようなところも登録して見ましたが、そちらはすぐに「このくらい払えば、会ってあげる」といった内容のメールばかりが来るようになり、さっさとやめてしまいました。
一方、交際クラブの方は事前審査があり、身元がしっかりとした方しか登録できないせいでしょうか、どの女性もみなキレイで、デートを申し込むメールも丁寧な言葉遣いでした。何人かの女性とやりとりした後、そのうちの1人デートすることにしたのです。

久しぶりに人と過ごす時間が楽しかった。

デート当日、待ち合わせの約束場所であるシティホテルのロビーに現れたのは、写真どおりの方でした。ちょっとほっとしましたのは事実です。軽く自己紹介をした後で、食事をしてそれからホテルの一室へ移動しました。人との会話を楽しいと思えたのは久しぶりでした。たいていの人はこの年で私が定職についていない理由を根掘り葉掘り聞いた後、仮想通貨バブルで儲けられてうらやましいとお世辞をいうか、まだ十分に働けるのにリタイアとはけしからんなどと説教をします。中には露骨にお金を貸してほしいと言う人もいました。私も自分の現状など話さなければいいのですが、ごまかすにも限度があり、後日根も葉もない噂を流されたこともあったので、真面目に答えるしか無かったのです。
でも、デート中、相手の女性は私の素性には一切ふれず、興味がありそうな話題を振ってくれました。多分、頭がよい方なのでしょう。私も相手の素性には触れませんでした。そういうお付き合いの仕方ができるのが交際クラブのいいところだと思います。別れ際、「楽しかったのでまた会いたい」と言われた時は嬉しかったですね。
今も、同じ交際クラブを利用して何人かの女性と楽しいお付き合いをさせていただいています。金銭的には余裕がありますので、なにかと相手の女性を手助けできるのも嬉しいですね。日々の生活にも張り合いが出てきて、久しぶりに新しい投資でも始めようかなと思っています。ちょっと手助けを求めている女の子がいるので、支えてあげたいのです。